衛星と惑星  





「宇宙には星があるよねえ」


「そうだね」


「星って、どこからが星なのかなあ」


「どこから、って?」


「宇宙にあるものは全部星なのかなあ?」


「うーん、そうなのかな」


「たとえばさ、隕石とかさ」


「ああ、」


「流れ星は隕石なんだって聞いたの」


「なるほどね」


「だからね、」


「うん?」


「私が宇宙にふわふわ浮いてたら星になれるかなあ」


「そうだね」


「そしたらねえ、ふわふわーってね、」


「うん」


「大きな星も、小さな星も、」


「全部?」


「そうなの、全部にね」


「うん」


「全部に触って回るの」


「へえ、どうして?」


「私も星だから、楽しい?って聞くの」


「それは楽しそうだね」


「うん。それでね、地球の上からねえ」


「うん」


「みんなに手を振るの」


「見えるのかな?」


「見えるよ。星は輝いてるから」


「そっか」


「そうなの。だから、きっと」


「きっと?」


「きっと誰かが手を振り返してくれるよ」


「そうだね」


「あなたも手を振ってね」


「僕は地球にいるの?」


「だって手を振り返してくれなきゃ寂しいじゃない?」


「一人で宇宙にいるのもさみしいよ」


「あっ、そうだね」


「そうでしょ?」


「星は、寂しくないのかな」


「きっと衛星がいるから大丈夫なんだよ」


「そっかあ」


「そう。だから僕は君の衛星になるね」


「うん、これで寂しくないね」


「そうだね」






「じゃあ、どうやって宇宙に行こうか?」


「…うん」







 END

▼ (2008/10)


せりふだけのはなし。

ネタとしては随分前から温めてたんですが
世に出すのを若干ためらってました。ふわふわー。


「ろけっとにのればいいんじゃない?」

「ろけっとは宇宙飛行士が乗るんだよ」

「あ、そうか・・・」

みたいな。(どんな